組織について
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本研究領域では、neo-PTMsをキーワードに、従来のアプローチでは不可能な生体機能制御法の確立と理解を目指します。
そのために、neo-PTMsを導入する(A01班)、繋げる(A02班)、理解する(A03班)、の3つの課題を設定し、
それぞれに独自の技術と経験を持つ研究メンバーチームを編成しています。

A01
neo-PTMsを 導入する
化学触媒によるneo-PTMsの導入
化学触媒によるneo-PTMsの導入

生命を形作る化学反応ネットワークの代表が、DNAを細胞の核内に収納するタンパク質であるヒストンの翻訳後修飾です。ヒストンにおける、様々な位置の、様々な種類の翻訳後修飾が、複雑に連関しあって化学ネットワークを形成し、その結果として、染色体の構造機能や遺伝子の転写が制御されています。A01班(山次)では、独自のヒストンアシル化触媒系を基盤にして、neo-PTMsを生細胞内でヒストンに導入し、その生命機能を探索します。そのために、アシル化導入可能領域の拡張、導入可能アシル化修飾の拡張、neo-PTMsと生体が元来持つ翻訳後修飾とのクロストーク解析を行い、neo-PTMsが造る生体内化学反応ネットワークの深い理解を目指します。

領域代表・研究代表
山次 健三Yamatsugu Kenzo

2010年3月に「不斉触媒反応の開発と医薬品の効率的合成法の開発研究」で博士号(薬学)を取得。その後、公益財団法人 微生物化学研究所、米国ウィスコンシン州立大学マディソン校化学科にて博士研究員。2012年10月よりERATO金井触媒分子生命プロジェクト グループリーダー、2015年4月より東京大学大学院薬学系研究科助教として「細胞のエピゲノムに介入する化学触媒の開発研究」を行う。2023年4月より千葉大学大学院薬学研究院教授。

A02
neo-PTMsを 繋げる
neo-PTMsの階層間シナジー
neo-PTMsの階層間シナジー

生命は、ゲノム (DNA)・トランスクリプトーム (RNA)・プロテオーム (タンパク質)・メタボローム (代謝物質) など複数の階層にまたいだ分子間相互作用ネットワークにより制御されます。これらの階層間ネットワークの多くは酵素を介した翻訳後修飾反応により制御されており、これらの破綻は疾患と密接に関連すると考えられます。A02班 (五月女) では、内因性補酵素誘導体や酵素阻害剤によって誘導される人工的なタンパク質翻訳後修飾反応をneo-PTMsとして捉え、これに連動して誘起される分子間シナジー変化を理解し、制御することを目指します。

研究代表
五月女 宜裕Yoshihiro Sohtome

2006年3月に「多官能基型有機触媒の創製研究」で博士号(薬学)を取得。同年、東京大学大学院薬学系研究科にて流動助手・流動助教。2008年4月より、米国Yale大学化学科で博士研究員 (JSPS海外特別研究員)。2009年4月より東京農工大学大学院工学府特任助教。2011年4月より理化学研究所袖岡有機合成化学研究室 研究員、2018年4月より専任研究員として、「動的触媒反応」「ケミカルメチローム解析」に関する研究を行う。

A03
neo-PTMsを 理解する
neo-PTMsの生命機能解析
neo-PTMsの生命機能解析

これまでの研究では、生物が自然に備えているPTMsの理解を深めることに重点が置かれ、自然界で存在しない(あるいは存在が不明な)neo-PTMsがどのような生命機能を持つのかについては不明な点が多くあります。そこで本研究では、化学的(A01班:山次)あるいは、酵素的(A02班:五月女)に導入可能なneo-PTMsを対象として、これらのneo-PTMsが細胞さらには動物個体内で果たす新たな生命機能を生化学、細胞生物学あるいは分子生物学的視点から包括的に理解することを目指します。

研究代表
島津 忠広Tadahiro Shimazu

2007年3月に東京大学大学院農学生命科学研究科で博士号(農学)を取得。同年米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校グラッドストーン研究所にて博士研究員。2011年10月より国立研究開発法人理化学研究所眞貝細胞記憶研究室 研究員、2016年4月より同専任研究員として、「リジンメチル化の生物学」に関する研究を行う。

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